人生謳歌

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映画『ニューヨークの巴里夫』普通に扱ったら重くなる話題を楽しく映しているいいコメディ

いやー面白かった。

原題がcasse-tête chinoisだから邦題が全く違うのも少しは分かる。チャイニーズ・パズル?と言われてもピンとこないからな。

主人公がチャイニーズタウンに住んだり、米国籍取得のため中国系アメリカ人と偽装結婚したりするからかけてはいるんだろうけど、邦題で中国をかけた題名を考えるのは確かに難しいのかも。

でも日本の配給会社が勝手に巴里のアメリカ人をオマージュするのはどうかと思うぜ。ミュージカル映画なのを少し期待しちゃったから。

 

観終えた後に知ったのだが"続きもの"で、「スパニッシュ・アパートメント」「ロシアン・ドールズ」とかいう前作があるらしい。あるらしいのだが、本作だけでも十分に面白いコメディだった。主人公のグザヴィエが「スペインで習ったのさ」とか言っているシーンがあったから、もしかすると前二作を観ている人にはたまらんシーンも多かったのかもしれないが。

 

普通に扱ったらどうしても重くなりすぎてしまう話題をちょっと楽しく映すコメディっていいよな……というかコメディってそういうものか。コメディが好き。

主人公のグザヴィエは小説家で、いろいろあって妻と離婚。妻はニューヨークに子供と一緒に移住し、彼も子供と過ごしたいがためにいざニューヨークへ。(離婚の種にもなった)精子を提供してあげたレズピアンの友人イサベルとそのパートナーの元に居候しながら部屋を探す。それと同時並行で子供の学校を決める権利を元妻を相手に争う。その中で国籍の取得が必要となり、偶然助けた中国人タクシー運転手の姪?と偽装結婚

 

説明だけされるとドタバタコメディだな、と思うのだが、実際見てみると現実が重すぎた。重いはずだけど楽しかった。

 

まず高すぎる物件。そんなに詳しくはないけれどニューヨークの物件はうなぎ上りで住めたもんじゃない、と日経かなんかで読んだけどまさにその通りらしい。グザヴィエは子供にすぐ会える場所に住みたいと言ってニューヨークにこだわり、結局イサベルのパートナーが学生時代に下宿していた部屋を貸してもらう。精子提供者としての恩もあったから。

次に訴訟社会……アメリカは訴訟料金が一定だから訴えやすいらしい。それとは関係ないかもしれないが、子供の面会をきっちりやっているらしい。「日曜日の公園には父親が多い」とかって。きっちり面会を守らされる子供もたまったもんじゃない。でもちゃんと面会をするグザヴィエの心の中には、全然かまってくれなかった父のようにはなりたくないという気持ちがあり……

国籍取得のための偽装結婚もやっぱり一筋縄にはいかないらしい。こういうことを言うと良くないが、グザヴィエは小説家でちょっとは金のあるヨーロッパ人だから多少は審査も軽かったのではないかと思う。それでも困難が伴いそうな審査だった。協力者のナンシーが機転の効く女性だから助かっていた節がある。もしかすると偽装結婚マニュアルとかがあるのかもしれない。

 

とにかく面白い映画でした。

アメリオドレイ・トトゥが全く変わってなくてビビる。あの独特の存在感は生来のものなんですね…